羽田空港国際線の検疫の検査場では、エボラ出血熱が流行しているアフリカ4カ国への滞在歴を申告するよう呼びかけていた
人類の最大の敵、それはウィルスです。これまで様々なウィルスによって、数知れない程の命が奪われてきました。時には大流行し、何百万もの命を奪ったものもあります。しかし、その都度、人間はそれらのウィルスに対抗するワクチンの開発に成功してきました。
それでも、数多くの犠牲は出てしまいます。ワクチンが出来るまで、多くの時間を要するからです。更に、感染の拡大に比例して被害も増大します。
そして、今また多くの人類に対し、命の危機が迫っています。エボラ出血熱。1995年にこの病気をモデルにしたパンデミック小説が映画化されました。私は、中学生でしたが、この映画を見て、現実感のある恐怖を覚えたことを今でも鮮明に覚えています。
映画では、猿によって持ち込まれたウィルスで、原因不明の出血熱が発症。拡大し、最後は街一つを空爆し、封じ込める決断まで行われます。しかし、その一歩手前でワクチンが完成し、人々は平和を取り戻すという映画でした。
実際のエボラも映画のように、上手く事が進むのでしょうか。現段階でかなり難しい対応が迫られています。感染は世界規模に広がりつつあります。先日はアメリカでも感染者が見つかり、騒ぎになりました。国境なき医師団に参加していた医師だったようです。今この医師のモラルについて問われています。
この医師は帰国後、感染の症状がなかった事から、知人とボーリングを楽しんだり、食事をしたりしています。という事は感染が拡大している可能性があるという事です。
難しい判断かもしれません。しかし、医師という立場から、もう少し慎重な行動をとってもよかったのかも、という疑念はぬぐえません。
日本でも渡航歴のある人間に対して、採血の義務化などを施行できる法律はありません。日本での感染を防ぐためにも早急な対応が求められると思います。これまでの鳥インフルエンザやデング熱などとは比べものにならない程の恐怖の殺人ウィルス。持ち込まれてからでは遅いです。
昨日、日本政府も海外からの入国者全員に空港で滞在歴の確認を始めるなど、異例の対策強化を打ち出されましたが、所詮は付け焼刃。水際での完全防止は困難で、国内で感染者が見つかった場合の対応策も含め、検討を急いでいるとされています。
そんな事を考えると、現在問題とされている大臣の辞任や不祥事問題。本国会は重要法案が目白押しです。もちろん、無視できない問題ですが、人の命がかかっている今は、あげ足取りのような事だけはしないで頂きたいものです。
こういう問題は、あまり過剰になり過ぎてもいけませんが、しっかりと考えていかないといけない人権問題も絡む非常に難しい問題ですね。