都美人
先日淡路島に行ってきました。そこで「
都美人」という酒蔵に立ち寄ってきました。ここの酒蔵は有名な酒蔵で飛行機のビジネスクラスやファーストクラスにもラインナップされています。今や日本よりも日本酒に親しみを持つ海外の方にも注目されているようで、海外からのお客さんもわざわざ来られるようです。これは日本人の観光客も同じみたいですが、改めて来客したお客さんは日本酒の美味しさを感じて帰るようです。
何度かこのBlogでも綴ったかもしれませんが、本当の本物の日本酒を知らない人がほとんどだと思います。それは、日本酒は保存が難しく所謂火入れ(清酒を60~65℃位に加熱すること。)したものが多く出回っています。この火入れを行う事で酒の中にある酵母が死んでしまい著しく味が変化します。その代わりに保存はしやすくなるというメリットもあります。だから、新酒の時期は美味しい酒を口にするチャンスが割かし多くなる訳なんです。(もちろん新酒ならではの癖もあるので一応には言えませんが。)だから、酒蔵に直接行き樽から絞りたての酒を飲むとまったくの別の飲み物かと思うぐらい旨いんですよね。その旨さに近い酒が無濾過生原酒と言われる生酒です。「
日本酒は苦手だぁ~」、と思われている方は是非一度試してもらいたいです。日本酒はこの世で最高の食中酒ですからね。
と話が少しそれましたね。「
都美人」の話に戻します。ここの歴史は古くて蔵の創業は昭和20年(1945年)。島の南部の酒蔵10軒が合併して発足されました。その中でもここの特徴は「
木桶仕込み」への取り組みや、全国にも数件だけともいわれる「
槽掛け天秤搾り」を復活させるなど、昔ながらの技法を今の時代に活かしているところです。
まず「
木桶仕込み」とは、その名の通り木の桶を使い酒を醸造させます。こうする事で、木桶ならではの独特の香りと味が楽しめるのです。元々昔は木桶が主流だったのですが、昭和30年頃から普及し始めたホーロータンクの出現により酒蔵から姿を消したようです。
次に全国でも大変珍しいのが「
槽掛け天秤搾り」です。これは醪を丁寧に酒袋に7~8リットルを詰めていき、整然と並べられた酒袋の上に盤木を重ね、天秤棒で少しずつ加圧をしながら酒を搾る方法です。こうする事で今までの倍の時間を要しますが、搾られる酒は純粋な酒の香味を引き出し、芳醇な酒質を生む事ができます。
こういう風に昔ながらの伝統を守り続け、また甦らせながら手間を惜しまない姿勢は本当に感服いたします。酒蔵に今まで何件か行きましたが、どこも不況だと嘆いておられました。酷いところでは美味しいのにも関わらず潰れていくところも少なくないとか・・・。実際に酒蔵に行ってもかなりの高齢化が進んでおり、後を継ぐ人間も少ないという現状だそうです。本当に嘆かわしい事です・・・。私ができる事としたら大した事ではありませんが、こうやって日本酒の良さを伝え続け一人でも二人でも多くの人に興味を持ってもらう事ぐらいしかできませんが、頑張って世界に誇れる日本の文化を守りたいと思います。
だからって訳ではないんですが、是非地方に行った際にはそこの地酒を造っている酒蔵に立ち寄ってみて下さい。結構面白くて酒も楽しめて一挙両得なのでオススメです!もちろん淡路島に立ち寄った際にはこの都美人に立ち寄ってみて下さい。ちなみに3月には大きな新酒のイベントがあるようです。個人的に参加しようと実は今密かに画策しておりますw