実はこの内容について書くべきか書かないべきか悩んでいたのですが、結局書きます(笑)。
先日このブログでもお伝えしましたが、大阪酒塾という日本酒の会に参加してきた時に、蔵元2名と参加者の中から選ばれた代表が3名と司会が1つの題材を元に話合われました。その題材とは「
日本酒の未来について」です。
はっきり言って現状の日本酒は厳しいです。以前は全国に日本酒蔵は2000蔵以上ありましたが、現在では約その半数1000蔵程度にまで減少。何故こうなったのか?答えは簡単!日本酒の消費量が激減しているからです。
確かに私の同年代でも日本酒を嗜む人間は少なく、居酒屋でも飲まれているところは滅多にみません。そんな日本酒が、近年の焼酎ブームも重なり焼酎に押されっぱなしだったのですが、最近ちょっと少しずつ変化が現れてきています。
女性を中心に密かに日本酒がブームになりつつあるようで、今様々な日本酒や酒粕を使った商品が開発されています。化粧水だったり入浴剤、石鹸など美容関連が商品化されこれまた売れ行きが好調のようです。
で、少し話が脱線してしまいましたが、大阪酒塾で話された「
日本酒の未来について」の内容を聞いて私は正直言って愕然としました。この話に明確な答えは存在しません。でも、悲観的になる必要もないと私は考えています。確かに先程話したように現状の日本酒を取り囲む環境は厳しい。でも、2000蔵が1000蔵に淘汰され、より美味しいお酒造りをしている蔵が生き残っている。確かに私が足を運んでいる酒蔵は、皆さん必死に美味しい自分達が満足できるお酒を造る事に心血注いで取り組んでおられます。
要は今まで労せず酒蔵の経営が可能だったけれど、不景気やらワインや焼酎の消費量が伸びて日本酒の消費量を圧迫された事で、競争が激化。その競争の結果、潰れた酒蔵が1000蔵。そう考えれば、ある意味当然と言えば当然な事ですよね。そして、今生き残っている酒蔵は、その競争の勝ち組な訳です。確かに蔵経営は厳しいとは思いますが、蔵元の努力により今まで以上の美酒が登場し、我々を楽しませてくれると信じています。現に今でもそんなお酒が出てきています。
それを、大阪酒塾の話では、良いお酒はあるけれど高い。安くしてまずは一般消費者に飲んでもらう機会を増やせばいい。という事で終わりました。まだまだ未熟者の私ですが、敢えて言わせてもらいます。そんなの全然間違っていると思います。
居酒屋で安売りして飲まれるのは、ビールや焼酎です。何故なら日本酒のイメージが残念ながら悪いからです。二日酔いになるやらすぐに酔うと言いますが、焼酎の方がアルコール度数は高いです。焼酎の場合は、水割りやらロックがあるから度数は下がると思われるかもしれませんが、日本酒もそういう飲み方できます。というか、根本的に二日酔いになるというのは、どんなお酒を飲んでも飲み過ぎたら誰だって二日酔いになります。でも、日本酒は嫌われています。このイメージを払拭しなければ、飲み続けてもらう事はできないでしょう。
では、どうするべきかなのか?それは、お酒を売る側の人間が日本酒の事を理解して、飲む人に対して正しいプレゼンを行う事が大事です。日本酒は最高の食中酒です。和食だけでなくイタリアンやフレンチ、中華にも合います。要は出す方のお酒の選び方です。この選び方を売る側の人間がわからないので、飲む機会が増えません。実際に私が栄ゐ田や其楽でお客さんにお酒をオススメすると飲んで頂けます。そして一様に「
美味しい!こんな日本酒もあるんですか?」と言われます。私はいつも「
これが日本酒です!」とこれ見よがしに言います。それだけ皆さん知らないだけなんです。日本酒がどういう物なのかを。
これを理解させてあげる事ができれば、今まで日本酒に縁がなかった人も飲んでもらえるようになるかもしれません。実際に私がその一人です。其楽の有田氏にお酒を教えてもらい、飲むようになり今では蔵巡りをし、仕入れを行い販売までしています。
ある意味、私自身が飲まない側から飲む側へと移った生き証人みたいなもんです。その私が考える「
日本酒の未来について。」は、飲食店・酒販店でもお酒の事をしっかりと消費者に対して説明でき、正しい選択ができる人間を増やす事で需要を伸ばす事ができると考えます。ワインでいうソムリエの方がされているような事をするだけです。それだけ日本酒自体は素晴らしいお酒です。単に安売りするなんて愚の骨頂!蔵巡りに行った際に私は見てきました。蔵元の苦労を。その苦労を考えると逆に値上げしたいぐらいです。
と、ズラズラと長文を書いてしまいましたが、最後に皆さんにご理解頂きたい事は、日本酒は、国酒です。ワインでも焼酎でもありません。日本独自の日本のお酒が日本酒なんです。この事だけは忘れないでもらいたいです。